とびない別館改装日記

趣味の改装について発信します。主に青森県むつ市にある「とびない別館」の改装計画をゆるく発信していきます。

6.たてもの内部調査〜居間の囲炉裏(いろり)

改装後も、人の集まる中心となりそうな居間。

八畳の畳部屋と二畳の縁側。

最初は部屋にゴザが敷いてありました。

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居間のゴザに凹みが見えます。

初日、居間のゴザを指差して「そこ凹みだから気をつけて」

と飛内さんに言われました。

それが気になっており、確認するために取り外してみました。

ゴザを取って現れた囲炉裏の跡がこちらです。

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囲炉裏の痕跡。

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囲炉裏の位置。


長く使われていなかったようですが

木枠が腐っている様子もなく、比較的綺麗な状態。

 

とびないさんの昔の写真を見せてもらった中に、

囲炉裏が見切れて雰囲気のあるものが、ありました。

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囲炉裏ととびない少年。


縁側を背に囲炉裏の横で読書。

なんか、素敵じゃないですかー!

以前に古本屋さんというアイディアをいただいたのですが、

ぴったりな雰囲気だなとあらためて思います。

 

この囲炉裏で直火を行うには、現在では法的に厳しそうです。

囲炉裏の周りや天井を不燃材料にするなどお金がかかってしまうから。

なにより、そうしようと思えば周囲を改造してなんとか出来ますが、

そうすることで、この部屋の雰囲気が大きく変わってしまう

のではないか?と思うからです。

 

今回のリノベーションは、現在のたてものに存在するものを最大限に

生かし、なるべくお金をかけずにやるべきだと思っています。

時間さえあれば、(手間はかかりますが)工夫することにより、

空間を快適に変えていけること、山ほどあるのだといつも感じます。

 

そして、できることならば、手間をかけて工夫する場合に、

みんなでイベント的に楽しくできれば(ワークショップなど)

それが一番いいよな、と楽しく想像しています。

(これ、ついつい「は?もしかして上手い事利用されて、やらされてる...?」

と考えてしまい嫌な気分になる事が多い、ネガティブ思考の私への戒めでもある!笑)

 

さらにイベント等で手伝った際には、その痕跡をその場所に残したいな、と。

以前にお店の改装工事をしていた時に、若い大工さん軍団が、

3Dプリンタでそれぞれの名前のかわいい刻印(立体)をつくり、

天井に痕跡をひそかに残しておりました。

これがものすごくセンス良くてですねー!

今回、かたちはまだわかりませんが、趣味よく痕跡を残すのは

ぜひ真似してみたいなぁと思います。

自分が手伝ったんだ、とわかると愛着がわくものです。

 

先日のニュースで、住宅の玄関工事でタイルを貼る前のコンクリートに

ドラえもんを描いていた人がいたという事件、記憶にありませんか?

 あれは世間的には趣味の悪いイタズラです。

(ドラえもんの絵自体はシュールで面白かったですが)

これは、そうじゃない感じのことを言ってます。。。

気づいた人がふふ...と笑える仕掛けです。

伝わりますでしょうか。。。

 

すでに別館には、それにちょっとだけ通じることがあったんです。

縁側にあったとびない少年の落書きの話。

次回はそれを書きます。

 

ところで先日、新潟の越後妻有・大地の芸術祭をみてきたのですが、

こんな風に部屋の中に、植物を植えるしかけがあって感動しました。

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絵本と木の実の美術館内。田島征三さんの作品です。

もちろん、今回はメンテナンスの方法や費用など、総合的に考えて

つくらないといけないですが。

 

居間の囲炉裏の写真を見返していたところ、

新潟のこの空間、ほっとして、素敵で、心に残ったなぁと

思い出したのでした。想像が広がります。

ぜひこんなアイディアがありましたらお寄せくださると有難いです。

 

 

つづく。