とびない別館改装日記

趣味の改装について発信します。主に青森県むつ市にある「とびない別館」の改装計画をゆるく発信していきます。

7.たてもの内部調査〜居間の縁側(えんがわ)

居間の窓側には、2畳ほどの縁側があります。

縁側はとびない少年の遊び場だったそうですよ!

この雰囲気、なんだかわかる気がします。

ここから外にも出られますし。

f:id:kokeshi-kenchiku:20181005202633g:plain

向かって右側。一部ガラス割れの応急処置が。

f:id:kokeshi-kenchiku:20181005202645g:plain

向かって左側。居間側の建具は入口とおそろい。

別館のひろい建物の中で、縁側はここだけ。

(いづれ建物全体の図で説明します!)

狭めの空間ですが、雰囲気的にもここは

このまま縁側として残したいなと思っています。

f:id:kokeshi-kenchiku:20181005205456g:plain

向かって右側の雰囲気。排気口の跡が。

f:id:kokeshi-kenchiku:20181005205506g:plain

向かって左側の雰囲気。こちらが絵の残ってる壁。

飛内さんが「これこれ!」と左側の壁の落書きを指さしました。

見えづらいかもしれませんが、とびない少年が

かつて描いた絵だそうです。

f:id:kokeshi-kenchiku:20181005210734j:plain

拡大してみました。うっすら見えますか?


これは「ゴジラを観た時に感動して描いたもの」

・・・だったと思いますが、これはオープンした時に

飛内さんから直接、見ながらききたいですね!

 

ぜひこの壁は残して、写真では見えづらいけれど

実際に来た人が見られるような壁になれば。。。

どのようなしつらえで、残したらいいだろうか。。。

(ぜひアイディアがありましたらお寄せください)

 

ところで、この縁側の壁材料は漆喰(しっくい)のようです。

昔の建物ではポピュラーな仕上げ材。

絵が残ってる=数十年前からこの壁はこのままだ、

ということなので、さすが塗り壁!と思いました。

今主流の壁紙(ビニールクロス)貼りだと、

壁紙自体は1mmもない薄さですから

傷つくと一気に「劣化したなー」となってしまい

全面的に貼り替え、という結末が多いです。

その点、この壁は部分的に修復したりして

じゅうぶん生かすことが可能だと思います。

 

また、古くなった時に単に「劣化した」となるのか

「味がでた」と思えるか、の違いって

材料の影響も大いにあると思うんです。

 

別館の中に入った時、ほっとなる雰囲気だったのは

柱や建具が本物の木そのままの仕上げのため

「経年した味わい」を感じられたからでしょうか。

現在住宅用に流通している木目のドアは

木目シートを貼ってる製品が多いので

なかなかこういう雰囲気を味わう機会が

少なくなりつつあります。

f:id:kokeshi-kenchiku:20181006010547g:plain

居間の味がある建具。

はからずとも、昔は量産型のドアなどが流通してなかったがゆえ、

貼りもの(クロスやシート)ではないもので職人さんがつくっていて。

そのおかげで味のあるものになっているのかな?とも思います。

 

ところでまた思い出したので、新潟の越後妻有

大地の芸術祭でみた作品を。 

f:id:kokeshi-kenchiku:20181005220003j:plain

「脱皮する家」の一部。日大芸術学部彫刻コース有志の作品。

これは古民家まるごと、彫刻刀で表面をひたすら

掘り続けた作品です。質感がとても素敵でした。

つまりこれは、クロスなど貼りものの内装では

ありえない作品だったなぁと思って、載せてみました。

 

この作品のような、現存のものを生かしつつ

新しい価値観を加えて、もっと魅力的にしていく、

みたいな演出もしていけば面白いですよね。

 

とびない別館は、現存のものを生かしつつ

どんな工夫をしていったらいいのか?

現状や現時点でのアイディアなどなど、、、

今後も少しづつですが、経過を更新していきます!

 

ぜんぶ出来上がるまでは、おそらく数年単位となる予定の

リノベーションになると思います。

飛内さんからは、アーティストインレジデンスにしたい!

とのお話がありました。

まだ今は調査・計画という初期段階です。

お気軽にご意見などをよろしくお願いします。

また、様々な分野での協力者も募集できたらいいな...と思います。